悪魔

 

 

 

 

こんな姿を見たくなくて・・・家中の鏡を壊した。

 

 

その場から逃げ出して暗い空を羽ばたいた。

 

逃げたと思ったのに、またこの姿を映す・・・大自然。

 

 

だから、海や湖を干上がらせて

 

僕はまた、飛び立つ・・・。

 

 

 

どんなに早く・・・

 

どんなに遠くへ・・・逃げても追掛けてくる・・・。

 

僕の行動を真似して笑う様に、光が創り出す、もうひとつの僕。

 

 

影は消せない。

 

 

このまま闇に飲み込まれるように、姿を隠した。

 

 

 

 

 

こんな僕を見つけないで・・・。

 

「・・・・・・。」

 

 

永遠に棺の中で眠ってしまいたい。

 

 

「・・・・・・。」

 

 

微かな声でキミを呼ぶ。

 

 

僕を見つけて・・・。

 

僕を、そっと包み込んで・・・。

 

 

 

棺の中から救い出して・・・。