71.自我
古人曰く
我思う 故に我あり
なれば 何故に我は我を思い 何故にあるのか
我のみに至らず
我に刻を運ぶ この風は 何故にあるのか
我に栄をもたらす この焔は 何故にあるのか
我に潤いを与える この水は 何故にあるのか
我が母なる大地は 誰が為にあるのか
我が父なる天空は 誰が為にあるのか
誰もが知り得ぬ答
それが万物の存在
故に我が存在も 誰にも知り得ぬ
或いは その答が答なのだろうか
我は 何故に存在するのか
その答を探す為の旅
それが 答であり 生きるということなのであろうか
それが 運命が我に課した意義であり 答なのだろうか
なれば 我は求めよう
我が意義の在処を
我という名の存在を
見つかるかもしれぬ
見つからぬかもしれぬ
されど それが答であるのなら
求める事が我が意義であるのなら
我は求めよう
自我の存在意義を
最果ての地に於いて この身が朽ちようとも
我が生涯をもって
我が秘められし意義を求めよう